第55回創展中止による特別オンライン企画展 「創展は歩み続けます!」
2021年オンライン特別企画展
2021年に開催された第55回創展中止による特別オンライン企画展 「創展は歩み続けます!」に出品された作品をご紹介いたします。
企画展について詳しくは「2021年第55回創展中止によるオンライン特別企画展について」をご覧ください。
評論家 勅使河原純先生の目に留まった作品を講評していただきました

勅使河原 純
プロフィール(2021年現在)
- 美術評論家、 川崎市文化会議岡本太郎美術館施設部会長
- 東北大学美学美術史学科卒業。
- 民間企業、地方自治体、文化系財団などに勤務を経て、世田谷美術館事業部長、のちに副館長
- 川崎市文化会議岡本太郎美術館施設部会長
- 1995年『美術館からの逃走』で倫雅美術奨励賞受賞
- 油絵「風方」で第22回シェル美術佳作賞を受賞
絵描きはしばしば、心の奥に一つの問いを抱えている。「絵とは何か」という厄介な疑念だ。各美術団体はそれぞれに個性的な回答を準備していそうである。しからば、この創作画人協会ではどうか。かつて横山大観が嘯いたように「この私こそが絵画なんだ」と、堂々と言ってのける人が案外多いかもしれぬ。野太い信念が、最先端の美術ばかりを目指しているわけではないにしろ、日々鍛錬して止まない真摯で一途な人生を支えているのだろう。
理事 森務
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秋深まるモレ・シユル・ロアン P80 油彩画
茶褐色への統一からは、晩秋らしい洒落たエスプリと石造りの街が醸し出す風格が滲み出る。白く抜けた空間と建物や木々の絶妙な絡み合いは、森芸術の特徴のひとつだろう。
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月の曲べ F100 油彩画
夜の王者月には、太陽とはまた違った典雅な優しさがある。それを乙女たちの美しい肢体に籠め、自在に舞わせたものか。月光の繊細な波が次々と打寄せてくる様が心地よい。
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大樹 F100 油彩画
ヨーロッパの完成された美景とはいえ、大樹といい遠くの塔や館といい、そこはかとなく安らぎが滲む風景だ。それだけに羊が食む草の鮮やかな黄緑が、ひと際目に染みる。
理事 倉島 美友
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帰り道 182cm×368cm 日本画
煌々と照りつけた太陽が傾き、落日までのわずかな時間帯。家路を急く気持ちと、このまま雄大な眺めにみとれ、茜色の空を見つめていたい思いが交叉する野辺の宵である。
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月影 182cm×368cm 日本画
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高原 182cm×368cm 日本画
季節は深まり、高原の湖は静まり返る。対岸の水辺には白樺だろうか、木々が軽やか に並び、自然の景観はいやが上にも盛り上がる。この人が最も得意とする山間の風情だ。
理事 嶋田 正之
理事 増渕 修一
理事 百瀬 まつ子
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ひととき F30 油彩画
ボディラインと両手、目線の動きが止まり、女の関心が何かに向かった一瞬を巧みに捉えている。更に衣裳のしなやかさを暗示する緋色の濃淡など、テクスチャーにも工夫が。
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鳥の見た風景 W60cH130c 油彩画
大空を飛びまわる鳥達は、一体どんな景色をみているのか。上に昇ると遠くの家や林が小さく、中ほどでは田畑の矩形まで、そして下では葉っぱの一枚一枚が手にとるように。
理事 武沢 礼子
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秋の詩(うた) F20 油彩画
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想い出のセレナーデ P15 油彩画
微妙に異なるさまざまな朱色が織り成すケシの花野。三人の乙女(妖精)がセレナーデで舞う幻想的風景だ。ケシにまつわるこの人の思い出を、一枚の絵にしたものだろうか。
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私の"ムーン・リバー" P30 油彩画
有名な映画音楽に寄せて、新バージョンの絵を描く。正にそのこと自体が、この画家のアート観を如実に示していよう。さあ私と一緒に河を渡って、夢の世界へ旅しようよと。
理事 大脇 兼子
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MRJ初飛行 日本画
日本の風景といえば田畑と柿だろう。赤い実をつけた柿木の向こうを、YS-11以来の国産ジェットがグングン上昇していく。絵は初飛行を祝し、前途の順調を祈念してもいる。
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葵 日本画
葵は垂直の茎に一直線の花をつける。昔から絵描きたちは、その堂々たる姿に魅了されてきた。ここでは紅白の花を交互に配置し、奥行きと共に一種の間合を生み出している。
理事 西 敬子
理事 島田 三郎
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歴史の目撃者(ときのもくげきしゃ)~部分 183×368 日本画
常に日本画の概念にチャレンジしてきた画家は、ここでは歴史の彼方を見渡す同心円の視線に至る。鋭い眼差しがつかまえたのは、ゾンビのような人体か乱れた麻の群生か。
理事 木村 巴
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悲憤 50号S 油彩画
世界は矛盾に満ちている。それを知らんぷりしてやり過ごさず、画家は丁寧に向き合う。わが手ですべてに触ろうとする連帯意識こそ、いま美術が最も必要としているものかも。
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悲嘆(徴) F100 油彩画
それにしてもわが非力は何としたことか。思わず頭を抱えて、しゃがみ込みたくなる。
だが絶望の淵に身を置いてこそ、希望の明日も掴めるというものだ。人と絵よ、頑張れ! -

サクランボの詩(うた) 14cm(縦)×33cm(横) 油彩画
理事 鬼頭 霧子
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深き大地から F100 油彩画
大地に深々と根を降ろす一本の木。幹の中ほどには、笑う人の顏らしきものが…。ふと下をみると人体らしきものも埋まっている。すべてを秘めた自然は怖ろしくも厳かだ。
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想塊 S-100 油彩画
タイトルも造形もただならぬ謎を孕んでいる。黒い塊は宇宙空間を彷徨う小惑星か。はたまたやるせない人の心にポッカリと浮かんだ、歯を剥く怨念みたいなものだろうか。
理事 新藤 道典
理事 出口 仍康
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イワナ釣り 30 油彩画
イワナ釣りの現場に、30号の自作を運んで撮影したものか。ネットで絵が写真に勝てるとも思えないが、これからの時代にはこの手もOK。いろいろ考えさせられる1点だ。
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坊主 30 油彩画
これも釣りに関する作品らしい。イワナではないが、一匹も釣れない「坊主」の夜の無言反省会かもしれぬ。獲物がひと際大きく派手にみえるのは、こちらの気のせいだろう。
理事 左 時枝
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白の世界 F10 油彩画
自然界では、比較的地味そうな白い花。だからこそ昆虫たちを引き寄せようと、精一杯花びらを広げ、かたまって咲いているのだ。絵はそうした健気さにも気づかせてくれる。
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ダリア F10 油彩画
数ある花の中でも華麗さでは一、二を争うダリア。画家はその強さに導かれ、花の 本質に分け入ろうとする。赤い筋がそのまま生命の表示ともいえそうな迫真の描写だ。
会員 赤川 司
会員 阿久津 冴子
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ハロン湾の夕陽 50 油彩画
小島(奇岩)のそそり立つハロン湾の景観は、つとに有名だ。だが緑の海に輝く真っ赤な夕陽は、世界中どこにもない最早この人だけのもの。決定的一瞬とはこれをいうのか。
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蓮を摘む女【ひと】 10 油彩画
ベトナムの民族衣装に麦わら帽の女が、水辺に独り佇む静寂なシーンである。穢れなき蓮の花をそっと手にとり、己れ自身を感じている人の無垢な眼差しが限りなく優しい。
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女神 30 油彩画
こちらは打って変わってカラフルな喧騒の世界。いましも諸肌脱いだ乙女が、はちきれんばかりのエネルギーを振りまいてポーズをとる。闇に舞う色テープの効果が絶妙だ。
会員 天利 重子
会員 太田 富治夫
会員 大久保 青比
会員 大久保 亮
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短い宇宙 F120 油彩画
富士山をバックに、その山懐に抱かれる小さな命にもグングン惹かれていく。画家の魂は清々しい。蝉の変態を巧みにアレンジした黒い帯は、ダブルイメージの新手だろうか。
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見上げれば宇宙 F30 油彩画
この画家の自然観・宇宙観を一点に封じこめたような、スリリングな絵画といっていい。溶けだした時計の数字や滝の落下が、時空の停止と逆転を暗示していて興味は尽きない。
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惑星 6 油彩画
会員 岸 弘明
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冬の欅#2 F15 油彩画
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6月の窓 F15 油彩画
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静物 F6 油彩画
アカマツやクロマツの種子である松ボックリは、じっくり眺めるとなかなかに趣深い。鱗のような造形の妙をグラスに乗せ、自然の技を味わい尽くそうとの意図をこめた作か。
会員 近藤 鍈子
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アテネの風 116x80 日本画
西洋美術史上名高いパルテノンの「女像柱/カリアティード」を描いた作だ。頭上の巨石(エンタブレイチャ)を省略しているため、柱の優美さは一気に倍加してもいるのだ。
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砂漠のばら 100×80.3 日本画
会員 佐藤 清勝
会員 座本 平源
会員 執行 千代子
会員 清水 恭子
会員 高谷 彌榮子
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愛の不在(家庭内暴力) 油彩画
ただ目に飛びこんできたものを描くことと、自身の日常を絵にするという作業は似て非なるものだ。飛び交う椅子をみつめるには勇気と、愛の不在どころか充満が必要と知る。
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愛の不在(水飲む子) 油彩画
会員 成田 亮
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創造の刻 50 油彩画
かつて岡倉天心が愛弟子たちを連れて遊んだ、五浦の六角堂だろう。この有名な入江の風景を、ここまでキュヴィスム風に描いた思い切りこそが、創造だといっていいのでは。
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家族 100 油彩画
おバアちゃんと若夫婦三人の一行だろうか。山間の湖に出現した、家族の絆を象徴するような光景。盛り立て役は、紅葉した銀杏とモミジの形象と静まり返った湖面の波形だ。
会員 浜田 玲子
会員 原田 耿太郎
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Long,long time ago P80(145.5×97cm)水墨画
優しい風が層になって天を流れる。そのなかを悠然と二頭のクジラ。地上では丸い塔で、黒ネコがお出迎えだ。小さな目で微笑み返す愛らしさが、何ともいえない動物王国の友。
会員 平山 尚子
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葡萄色の刻 F30 日本画
黄色く色づき出した葡萄の房。葉っぱに光が当たり、白く反射する画技が卓越している。これも絶えず対象を観察するハイパーリアリズムの一変種と考えて、差し支えあるまい。
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幻想―蓮 F6 日本画
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黄色い花 色紙大 日本画
会員 前田 麻里
会員 町田 政江
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つるかごとマンゴーと 10 紙絵
四つの果物の巧みな描き分けが目を引き、味わいまで伝わってくるようだ。光の照返しの入れ方も的確にして無駄がない。単なる静物には収まらないほどのツルの質感が見事。
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カタクリの花咲く 20 紙絵
会員 水沼 伴次
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花ごもりの日 S12 ミクストメディア
紫陽花にちょこんと鎮座している猫。その不動の佇まいが逞しくも、可愛らしくもある。美術の世界でいまもっとも人気のモチーフを、二つながら一度に描きとった勇気に敬服。
会員 横溝 靖子
準会員 久保 光子
準会員 三戸 喜久雄
準会員 横本 早苗
準会員 吉田 迪子
会友 浅利 秀一
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トルコ絨毯と私(自画像)F6 油彩画
歴史に造詣の深い人として、トルコ絨毯は注目の的か。四角い枠にさまざまなデザインを籠めた明るさに惹かれ、自身も遂にトルコ人となった一風変わった自画像が絶好調。
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後醍醐天皇 F6号 油彩画
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石灯篭た 那智の滝 F6号 油彩画
会友 稲 万理子
会友 井上 紀樹
会友 上田 逸子
会友 宇敷 綾子
会友 河合 哲夫
会友 風間 由美子
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球体 (85cm×85cm) 油彩画
規則性の破れ目を狙ったような魔訶不思議な球体。色環の土台から始まり、何かをスッポリと包みこむ四層構造のドームのようにも、そして中空を睨む人の顔にもみえてくる。
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ヴェニスの書店 (160cm×100cm) 油彩画
会友 河野 由美子
会友 SAKURAKO
会友 佐藤 道生
会友 志摩 喜三
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ミロのヴィナスに魅せられて 55-79(木炭紙大) パステル画
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キューピット像のある静物 42-58 鉛筆画(パステル一部)
セザンヌに同名の傑作あり。かしいだ石膏像の姿勢を反映して、室内全体がやや左後へと傾いた作だ。その状態を真後からみたような画面で、「やった」との声も聞こえそう。
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葵(あお) 55-79(木炭紙大) パステル画(静物画)
会友 鈴木 淳
会友 二宮 浩司
一般 サカグチカオリ
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カフェドフロール S3 コンテンポラリーアート
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l'horlage (時計台) 27.0×38.0cm コンテンポラリーアート
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life vibrant(生命の輝き) 36.3×51.3cm コンテンポラリーアート
一般 辻一美
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春信~茅葺の駅舎 P10 水彩
今時茅葺の駅舎があるのかとビックリするが、実在を確信させる緻密な描き振り。ことに茅葺と満開の桜が相まって醸し出す早春の息吹は、思わず溜息が漏れるほどの美しさ。
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雪の金沢~兼六園 P10 水彩
水墨画かと思われるほど、和の雰囲気を湛えた世界といっていい。前掲の片足を水に差した燈籠と、池の向こう側の景色が抱えこむ空間の広がりは、正に伝統美の極致をいく。
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波濤 P10 水彩
一筋の帯となって浜辺に打ち寄せる白波。そうかと思うと岩にぶつかって砕け散る波濤。その両者の熾烈な表情がたった一枚の画面に凝縮され、心行くまで堪能できる稀な作だ。
一般 高岩 由美子
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想い F8 水彩画・アクリル
私の人生の主人公はもちろん私自身。素晴らしい髪飾りをつけ、犬を連れてひとり画面を独占する。目指すは理想の恋愛と家庭か。少女時代の想いはまだ健在そのものだ。
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つぼみをあげる F50 水彩画・アクリル
一般 髙松 富士子
一般 辻 理聰
一般 馬場 惠子
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吉報の使者アイリス 162cm×100cm 染色
好運にも吉報の使者である真っ赤なアイリスを掴んだ女。いま爽やかに天空へ舞い上がろうとする。誰の人生にも一度や二度は必ず起こる、歓喜の瞬間だ。チャンスを逃すな!
一般 古寺 英敏
一般 松本 青樹
森水碧先生を悼む
今年3月にお亡くなりになった森水碧先生は、創展の理事会員として会の要である事務局長を長く務めてくださり、多くの創展会員が母とも慕う存在でありました。ご生家は東京渋谷の有名な写真館、女子美をご卒業後、女流作家協会にも所属され数々の秀作を生み出され、会に多大なる貢献をされました。思い起こせば多くの事がございますが、いつも冷静で正統派であることを感じておりました。
今回オンラインで遺作をご提供いただく赤堀通夫会員も森先生をお慕いする一人でありました。私も先輩画家である森先生の90歳のお祝いの会に参加させていただいたことを、つい先頃のことの様に鮮明に記憶しております。訃報に接したときに正に“巨星落つ”の感覚でした。
創作画人協会 森 務
赤堀通夫会員を悼む
今年1月にお亡くなりになった会員赤堀さんをご存じない方も多いと思います。
赤堀さんは創展の古い会員であり、その描く絵画は正に心の中にある赤堀芸術の叫びそのものでありました。画面からにじみ出る静寂はあくまでも透明で美しく、なんの衒いもなくひたすら絵画芸術を求める赤堀さんのお姿を見て、地元四国は勿論、中央画壇に於いても、多くの赤堀ファン、創展関係者、美術評論家、マスコミ、海外における展覧会でも皆感動し絶賛しています。それと言うのも、赤堀会員は手足が機能せず(肢体麻痺)、筆を口に咥え油彩を操り、奥様が献身的に支えとなり創作に挑戦し続けました。
創展は一貫して赤堀絵画を高く評価し、その精神性の高い芸術作品を愛しました。
昨年の54回展も今回の55回展もオンライン掲載ですが、来年こそは東京都美術館に作品を展示できることを切望しています。
創作画人協会 森 務




























































































































